『異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました。』レビュー|穏やかなぬくもりに満ちた癒し系ファンタジー

異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました。

あらすじ

アラサーの女性ツキナは、神を名乗る存在によって「救世主」として異世界に転移させられてしまう。その際、なんでも願いを叶えてくれると言われ、モリモリに願い事を詰め込み、王都郊外でブックカフェを営みながらのんびり暮らすことに。異世界の本を集め、訪れる人々にお茶と読書の時間を提供しながら穏やかな日々を送っていたが、もう一人この国に召喚された“救世主”の存在により、平穏に影が差していく――。

評価

絵の美しさ (4)
演出力 (4)
キャラクター (4)
世界観 (5)
ストーリー (4)

※評価は筆者の主観に基づくものです。

総合: 4.2 / 5

書評

本作の魅力は、なんといっても穏やかで居心地のよい世界観だ。
外の世界では騎士団の任務や魔物との戦いなど、どこかに緊張がある。雪の降る王都の中で、ツキナの営むブックカフェだけは結界の効果により、温かく穏やかな時間が流れている。
ほぼ唯一の客である騎士団長・イルと過ごす日々の中で、二人の間にはゆるやかな信頼と温かい絆が育まれていく。
寒く、危険で、喧噪に満ちた世界と、静かで優しい空間。その対比が心に残り、読んでいるこちらまでほっとする。
静かでチルな空気を楽しみたい人にぴったりの一作。

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