あらすじ
盲目で生まれた少年・クノン。
彼は勇者の子孫に稀に現れる「英雄の傷跡」と呼ばれる現象により、生まれながらにして視力を持たなかった。
未来に希望を見出せず、周囲からの同情や気遣いさえも疎ましく思う日々を過ごしていた。
そんな彼の運命を変えたのは、魔術の家庭教師の何気ない一言。
水の魔術に適性を持つクノンは、「魔術で視界を再現する」という常軌を逸した発想に辿り着く。
そこから、彼は狂気的なまでに魔術へとのめり込んでいった。
魔術は便利な反面、殺傷能力を持つ危険な技術。
幼い子どもに教えられるのは、攻撃性のない基礎魔術に限られていた。
結果としてクノンが扱えるのは、たった2つの初歩的な魔術のみ。
しかし彼は、そのわずかな手札を徹底的に研究し、改造し、応用する。
そして――狂気的な探究心は、限られた魔術を想像もつかない形へと変えていった。
出典:KADOKAWAオフィシャルチャンネル(YouTube)
評価
絵の美しさ | |
---|---|
演出力 | |
キャラ魅力 | |
世界観 | |
ストーリー |
※評価は筆者の主観に基づくものです。
おすすめポイント
1. 魔法=自由を体現する独創的な魔術描写
クノンが繰り出すのは、常識外れで独創的な魔術ばかり。
たった2つの基礎魔術から無限の応用を生み出し、読むたびにワクワクと楽しい気持ちにさせてくれます。
時には面白く、時には便利で、時には可愛らしい。
そこには「魔法ってこうであってほしい」という、自由で幻想的な魅力が詰まっています。
魔術をただの戦闘の道具ではなく、発想と遊び心で世界を広げる手段として描いているところが、この作品ならではの面白さです。
2. ポジティブすぎる性格から生まれる笑い
クノンのポジティブすぎる性格も、この作品の大きな魅力のひとつです。
相手が誰でも空気を読まず、軽妙でユーモラスな会話を繰り広げるため、やりとりのたびに思わずクスッとしてしまいます。
相手の反応を気にしないその姿は、どこか強キャラ感すら漂わせ、見ていて実に面白い。
振り返ってみれば、作中の半分以上がクノンのおふざけで占められていると言ってもいいほど。
ギャグ漫画のようなテンポの良さで読み進められるのも、この作品の魅力です。
3. 課題解決のワクワク感
この作品の最大の魅力は、クノンが直面する数々の課題をどう解決していくのかという点にあります。
クノンは魔術に対する天才的な才能と誰にも負けない情熱を持っていますが、魔術の世界は奥深く、常に新たな壁が立ちはだかります。
それは試験であったり、研究上の課題であったりとさまざま。
果たしてどんな発想で挑み、どのような結果に至るのか――。
クノンが課題に向き合うたびに先の展開が気になり、気づけばページをめくる手が止まらなくなります。