『神達に拾われた男』感想|孤独を癒す異世界スローライフ

あらすじ

ブラック企業に勤めるSE・竹林竜馬は、死後、異世界の神々に魂を拾われ異世界へ転生する。
人里離れた森の中に送られたリョウマは、神々の勧めに従い拠点を作って生活を始めた。
それから三年、すっかり森の暮らしに慣れたリョウマは、狩りや魔法の練習、テイムしたスライムの研究など、さまざまなことを楽しみながら一人の時間を満喫していた。
このまま孤独な生活を続けるのも悪くないと思い始めた矢先、森で負傷者を連れた集団と遭遇。
彼らを助けたことをきっかけに、リョウマは町への旅に同行することになる。

評価

絵の美しさ (3)
演出力 (4)
キャラクター (5)
世界観 (4)
ストーリー (4)

※評価は筆者の主観に基づくものです。

総合: 4 / 5

書評

『神達に拾われた男』は、孤独に慣れ、生きる目的を見失っていた主人公が、異世界での穏やかな日々と人との出会いを通して、少しずつ心の疲れを癒していく物語。
前世では、過酷な環境の中でも誠実に生き続けていたが、その努力が報われることはなかった。
今世では、周囲の人々との温かな交流を通して、自分の存在を受け入れられ、ようやく居場所を見つけていく。
穏やかな日々の中で、少しずつ心がほぐれていくような変化が描かれている。

スローライフものや無双もの、知識チートなど、異世界ものの要素を含みながら、物語はリョウマの生活を中心に描かれている。
研究や発明、店舗経営といった日々の積み重ねが少しずつ形になっていく描写には、見ていて不思議と満足感がある。
静かな展開の中にも達成の瞬間がいくつもあり、読後に充足感が残る作品。

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