あらすじ
心優しく人々に尽くしてきた聖女は、勇者一行に同行し魔王討伐の旅へと出る。しかし仲間に裏切られ、惨殺された末に井戸へと捨てられてしまう。
その後、勇者たちは魔王を討ち、世界を救った英雄として讃えられ、欲望のままに栄華を極めていく。だが、そんな彼らの周囲で不可解な異変が起こり始める。
怨霊となって帰還した聖女の冷酷な復讐劇が幕を開ける。
評価
絵の美しさ | |
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演出力 | |
キャラ魅力 | |
世界観 | |
ストーリー |
※評価は筆者の主観に基づくものです。
総合:
2.8 / 5
書評
本作は、復讐が始まるまでにしっかり時間をかけるタイプ。聖女が地獄を見る導入から、勇者一行が栄華を極めていく過程までを丁寧に積み上げる。復讐が動き出すのは2巻以降で、それまでは被害側の残虐描写が続き、読者の怒りと不快感を意図的に煽る構成だ。
ジャンルは一応ファンタジーだが、体感は限りなくホラー寄り。勇者サイドはどうしようもない悪として描かれ、その後の復讐の重みを増すための土台作りに徹している。
おすすめポイント
復讐譚に惹かれる人、善悪が明確に分かれた構図を好む人に向いている。
ファンタジーでありながらホラーに近い陰惨さがあり、明るさや救いはない。
ダークで残酷な展開を求める読者には確かな手応えがあるが、残虐描写に耐性がない人には厳しい内容だ。
好き嫌いの分かれるポイント
露出多め
性的描写多め
性暴力の表現あり
グロ表現あり
復讐が始まるまでが長く、サクッと楽しみたい人には冗長に映るかもしれない。被害者への暴行描写がえげつなく、耐性のない読者には後味の悪さが際立って見える内容。ジャンル表記はファンタジーだが、実際の読み味はホラーに近く、救いのない展開に拒否感を覚える人もいるだろう。